刃物のこわや

「こわや」の屋号の意味を時々尋ねられるのですが、こわやの 「こわ」とは、この三河地方だけの方言かも知れませんが、「木っ端」「こは」「こわ」と変化した言葉ではないかと言われています。木っ端とは製材のときに出る製材クズのことで、昔は家庭では無くてはならない燃料として使われていたものです。今ではこれに替わってガスや電気になってきました。
刃物のこわやの初代店主は、もともと大工で材木屋とも取引があり製材クズの木っ端(こわ)を仕入れては、妻がこれを販売していて、いわゆるタキモノ屋を営んでいてそのときからの屋号が「こわや」であったということです。
晩年大工をやめて、刃物の修理販売業を始めるとき、「こわや商店」で始めて、「こわや刃物店」になり、「刃物のこわや」に変わり、今日の「こわや」に至っています。
決して、刃物、怖いものを扱っているから、こわやでは無いことを申し添えます。