おやじの研いだラシャはさみ

研ぎ直しにお預かりしたハサミに、おやじ(父・二郎)が研いだラシャはさみがありました。親父が他界してから早や14年になり、なくなる以前の5年くらいは刃物の研ぎなおしは出来る状態ではなかったので少なくとも20年ぶりくらいに当店に帰ってきたものです。
ハサミを一目見て親父の研ぎ方だと分かります。当時の研ぎにはまず水研機を使いハサミの刃の裏を透き、続いて小刃を研ぎます。今は乾式のベルトグラインダーを使いますので簡単に正確に研磨が出来ますが、当時はこの荒研ぎだけが機械で加工して後の裏透きの仕上げ、小刃の仕上げまで手で仕上げていました。とても時間が掛かりまた正確に研ぎあげるのが大変でした。


研ぎあげてネジを取り付けたところです。

これで研ぎは完了。スムーズに動きました。また、お客さんの下で20年働いてきてください。