刃物屋のたわごと

今晩9時からの名古屋テレビ(11チャンネル)の土曜ワイド劇場をご覧ください。

新聞記者が殺人事件のなぞを追うというストーリーだそうですが、私も番組の宣伝でしか見ていないので細かな内容は知らないのですが、その中で殺人現場で、今禁止されているダガーナイフが出ていたのでとても気になっています。このように原作者の発想したイメージでしょうか、本当にこの場面でこの種類のナイフが必要だったのか、生活に密着した包丁、果物ナイフではいけなかったのか、現状と人間の設定に本当にマッチしているのか問題があると思います。
無闇ににかっこ良さだけを求めて原作者がこの場面で高価なダガーナイフを使用したならば、ナイフに関わる私ども刃物屋、また、ナイフのコレクター、愛好者には大変迷惑なことだと考えます。またこれを見た浅はかな視聴者に与える影響は大きいのではないかと心配します。

昨年、東京の秋葉原で起きた無差別殺人事件も、そんな一連のテレビドラマに影響されて、かっこよさだけを狙った犯人の起こした事件ではないでしょうか。当店も、ナイフをいわゆる趣味のナイフを扱って20数年になりますが、当店のお客様で警察沙汰になるような方は一人も居りません。本当にナイフを好きな方はナイフをこんなに粗末に使うようなことはありません。軽々しくドラマの現場に合わないようなナイフを使ったのなら、ナイフを愛する人たちにとっては非常に迷惑なことです。
実際の殺人事件、傷害事件に使われているのは、普通の家庭にある包丁、果物ナイフが殆どです。無闇にナイフをドラマに登場させてほしくないというのが、われわれ刃物屋の願いです。