ほうちょう研ぎの講習会

今日は包丁を何丁か研ぎにお持ちいただいたお客様が、自分でも研いで見たいとおっしゃるるので臨時に研ぎの講習会を開催いたしました。
今までも何人かの方が包丁の研ぎ方を練習して行かれました。条件はご自分の包丁と砥石をご持参いただくことだけです。
今日は自店の研ぎはしていないので研場は空いていましたのですぐに出来ましたが、普通は事前に予約していただいています。
さっそく研ぎの講習会をはじめました。まず砥石は中砥(粒度#1000)と仕上砥(粒度#6000)を使います。流し台の上に雑巾を濡らして絞ったものを砥石の大きさくらいに折ってその上に、あらかじめ水に漬けておいた砥石をのせます。最初は中砥を使います。
包丁はステンレス包丁です。まず砥石がしっとりと濡れている状態の上に包丁をぴったりくっ付けてから、少し背中の方を浮かして前後に砥石の上を動かして研いでゆきます。その際、刃先から約10ミリ位の幅で砥石のすり傷が着くように包丁の背中側を浮かしながら角度を決めて動かしてゆきます。包丁を動かすスピードはゆっくりで良いのですが砥石の寸法いっぱいに包丁を動かすと作業が早くなります。
最初はどちらか片側だけを、刃先全体ににカエリ(研ぎのバリ)が出るまで研いでゆきます。刃の切っ先からあごの部分まで満べんなくカエリが出るのを指先で確かめながら研いでゆきます。
片側が研ぎ上ったら裏返して反対側を同じようにカエリを確かめながら研いでゆきます。このカエリをきちんと確かめないと刃先まで砥石が当たらず砥ぎきることが出来ません。
中砥での研ぎが出来たら次は仕上砥で同じように研ぎ上げてゆきます。この時、カエリは中砥で研いだ時ほどの感覚がありませんので、良く注意して微妙な感覚を確かめながら研いでください。
以上で砥石での研ぎ上げは終わりましたが、最後にもう目には見えないほどの指先でも感覚が分からない程になっている、カエリを取り去って仕上げを完了します。
タオルを縦に四つに折って細長くして片方の端を足で踏みつけて、片方は手で引っ張ってその上を包丁を背中側から刃先方向に、すりはたいてゆきます。簡単ですが以上で包丁の研ぎが完了です。